膀胱炎について

当院では、膀胱炎の検査および治療を保険診療で行っております

膀胱炎は、適切な治療を行えば比較的短期間で症状が改善する病気です。しかし、治療が遅れると腎盂腎炎へ進行し、入院が必要になったり、命に関わる場合もあります。そのため、症状がある場合は早めに医療機関を受診し、十分な治療を受けることをおすすめします。

膀胱炎の種類

膀胱炎にはいくつかの種類があります。

  • 急性膀胱炎:細菌感染が原因で起こる最も一般的な膀胱炎
  • 慢性膀胱炎
  • 間質性膀胱炎(原因不明)

この中でも、頻度が最も高いのが急性膀胱炎です。本項では、急性膀胱炎について説明します。

原因

膀胱炎は特に若い女性に多い病気です。

膀胱内に細菌が感染することで発症し、原因菌としては大腸菌や腸球菌が多くみられます。

女性に膀胱炎が多い理由として、

  • 男性に比べて尿道が短いこと
  • 尿道口の位置が細菌の侵入を受けやすいこと

などが挙げられています。

症状

膀胱炎では、以下のような症状がみられます。

  • トイレが近くなる(頻尿)
  • 排尿時の痛み(特に尿が出終わるタイミング)
  • 我慢できないほど急にトイレに行きたくなる(尿意切迫感)
  • 排尿後も尿が残っている感じがする(残尿感)

そのほか、

  • 血尿
  • 尿が濁る
  • 下腹部の不快感
  • 尿漏れ

などがみられることもあります。
※通常、発熱はみられません

検査

膀胱炎が疑われる場合、尿検査を行います。

院内で実施する迅速検査では、10分程度で結果が判明します。
尿中に以下の成分が混じっていないかを確認します。

  • 白血球
  • 赤血球
  • 細菌

症状や尿検査の結果を総合的に判断し、必要に応じて

  • 尿細菌培養検査(原因となる細菌の特定)
  • 薬剤感受性検査(どの抗生物質が有効かの確認)

を行います。

予防

膀胱炎の予防として、次の点が重要です。

  • 十分な水分摂取
  • こまめな排尿

排尿を我慢すると、膀胱内で細菌が繁殖しやすくなります。
また、冷えや疲労によって体の抵抗力が低下すると感染しやすくなるため、日常生活でも注意が必要です。

治療

膀胱炎の原因となる細菌に対して有効な抗生物質を内服することで、通常は数日で症状が改善します。

治療の流れは以下の通りです。

  1. 抗生物質の内服
  2. 処方された薬を最後まで飲み切る
  3. 再度尿検査を行い、細菌や白血球が消失していることを確認
  4. 治療終了

膀胱炎は再発を繰り返しやすい病気です。
症状が改善しても膀胱内に細菌が残っていることがあるため、自己判断で服薬を中止せず、医師に指示された日数分を必ず飲み切ってください。

注意が必要な状態

膀胱炎が悪化すると、細菌が尿道を通って腎臓に達し、
**急性腎盂腎炎(じんうじんえん)**を引き起こすことがあります。

以下の症状がみられる場合は要注意です。

  • 急激な高熱
  • 寒気
  • 腰や背中の痛み

症状が重い場合には入院が必要になることもあります
重症化を防ぐためにも、気になる症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。

注意点

女性の方が膀胱炎のリスクが高い理由

膀胱炎は、男性よりも女性に多い病気です。
主な理由は、女性は男性に比べて尿道が短いため、膀胱内へ細菌が侵入しやすい点にあります。

また、免疫力の低下も膀胱炎の発症リスクを高めます。
女性は排卵や生理のタイミングで免疫力が低下しやすく、その影響で排卵期や生理前後に膀胱炎を発症しやすい傾向があります。

予防のためには、

  • 生理用ナプキンをこまめに交換する
  • 排便後は前から後ろへ丁寧に拭く

など、陰部を清潔に保ち、細菌の侵入を防ぐことが重要です。

食事の注意点

膀胱炎の際は、アルコールや刺激の強い食べ物・飲み物は控えましょう

刺激の強い飲食物により酸性の尿が作られると、

  • 炎症が長引く
  • 膀胱の痛みが強くなる

ことが知られています。

膀胱炎の痛みは、尿が膀胱粘膜を刺激することで生じるため、

  • 麦茶

などの刺激の少ない飲み物を十分に摂取し、尿を薄めることが大切です。

以下の飲食物は控えめにしましょう。

  • カフェインを含む飲料
  • 柑橘系飲料
  • 炭酸飲料
  • 香辛料の多い食事
  • 発酵食品
  • 高カリウム食品

喫煙について

喫煙も膀胱炎には好ましくありません。

喫煙により体内に取り込まれた刺激物は、膀胱を刺激する尿を作りやすくなります。
さらに、体温低下による新陳代謝の低下が起こり、尿の排出が妨げられることで膀胱炎のリスクが高まります

また、喫煙は膀胱がんのリスクを高めることも知られています。
発がん物質が尿として排泄され、膀胱粘膜と接触することでリスクが上昇します。

ライフスタイルの見直し

膀胱炎の治療・予防には、ライフスタイルの改善も重要です。

膀胱炎は免疫力の低下により発症しやすくなるため、

  • 睡眠不足
  • 強いストレス
  • 疲労の蓄積

などがあると、治療しても再発しやすくなります

水分補給に加え、

  • 十分な睡眠
  • 規則正しい生活
  • ストレス管理

を心がけることで、膀胱炎のリスクを下げることができます。

膀胱炎を放置するとどうなるか

膀胱炎を放置すると、原因となる細菌が腎臓まで到達し、
腎盂腎炎を引き起こす可能性があります。

腎盂腎炎では、

  • 高熱
  • 腰や背中の痛み
  • 重症化すると腎不全

などを来すことがあります。

膀胱炎のみでは通常発熱はありませんが、発熱がみられた場合は腎盂腎炎への進行が疑われます
ただし、発熱だけで自己判断することは難しいため、早い段階で医師に相談することが重要です。

他人に感染させる病気ではありません

膀胱炎は炎症性疾患であり、感染症ではありません
そのため、

  • 性交渉
  • 飛沫
  • 接触

などによって他人にうつることはありません
感染対策を心配する必要はありませんので、ご安心ください。