咳喘息の種類・原因・治療方法・注意点について

咳喘息とは
咳喘息とは、一般的に知られている気管支喘息とは異なるタイプの喘息です。
 気管支喘息では「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった喘鳴(ぜんめい)や息苦しさがみられますが、咳喘息ではこれらの症状はほとんどなく、咳だけが長期間続くことが特徴です。
咳は数週間から数か月続くことがあり、軽い咳が続くだけの場合もあれば、次第に激しい咳へと変化することもあります。
 また、咳喘息から気管支喘息へ移行するケースもあるため、早期の対応が重要です。
咳喘息単独の正確な統計はありませんが、近年増加傾向にあると考えられています。
 その理由として、咳喘息が「風邪の治りかけ」「一時的な咳」と判断され、医療機関を受診しない方が多いことが挙げられます。

咳喘息の種類
咳喘息は、大きく以下の2つに分類されます。
① 感染後咳喘息
風邪やウイルス感染後に、他の症状が治まったあとも咳だけが残るタイプです。
 気道の粘膜が過敏な状態となり、軽い刺激でも咳が出やすくなります。
② アレルギー性咳喘息
花粉・ダニ・ハウスダスト・ペットの毛などに対するアレルギー反応が原因で起こるタイプです。
 免疫反応により気道が刺激され、咳が持続します。

原因
咳喘息の明確な原因は、現在も完全には解明されていません。
 ただし、以下のような要因が関与していると考えられています。

  • 風邪や感染症のあとに咳だけが残る
  • 花粉・ハウスダスト・ペットなどのアレルゲン
  • タバコの煙や自動車の排気ガス
  • 気温差や乾燥した空気
  • 過去に小児喘息があった
  • 家族に喘息の方がいる(体質的要因)

慢性的な気道の炎症により、気道が刺激に敏感な状態になっていることが背景にあると考えられています。

症状
咳喘息の症状は、咳のみです。

  • 痰や喘鳴はほとんどない
  • 夜間や早朝に咳が出やすい
  • 会話中、深呼吸、冷たい飲み物で咳が誘発される
  • 運動後や冷気で悪化することがある

症状は軽そうに見えても、日常生活や睡眠に支障をきたすことがあります。

検査・診断
診断の中心は問診です。

  • 咳が長期間続いている
  • 喘鳴や息苦しさがない
  • 画像検査などで他の病気が否定的

これらを総合的に判断し、咳喘息と診断します。
 ただし、咳喘息の認知度が高くないため、「風邪の治りかけ」と判断されてしまうケースもあります。

治療
咳喘息は気管支喘息への移行を防ぐことを目的に治療を行います。
主な治療法

  • 吸入ステロイド薬(アドエア、シムビコートなど)
  • 気管支拡張薬
  • 咳止め薬
  • 必要に応じて抗アレルギー薬

医療機関によって治療方針は異なりますが、適切な治療を行うことで多くは改善が期待できます

注意点
治療・生活での重要なポイントは、**「喉・気道に負担をかけないこと」**です。
• 無理に咳を我慢しない
• アレルゲンを把握し、可能な限り避ける
• マスクを着用して刺激を減らす
• デオフィリン(テオフィリン)内服中はカフェインを控える
 ※動悸・頭痛・吐き気などの副作用に注意
また、咳が長引く場合は自己判断せず、必ず医療機関を受診しましょう。
 咳喘息以外の病気が隠れている可能性もあります。

予防
咳喘息は原因が多岐にわたるため、日常生活での予防が重要です。

  • 風邪をひかない生活(十分な睡眠・手洗い・うがい)
  • 禁煙・受動喫煙の回避
  • アルコールの過剰摂取を控える
  • ストレスを溜めない
  • 室内の換気・掃除をこまめに行う

これらは一時的ではなく、継続することが大切です。

まとめ
咳喘息は「咳だけだから大丈夫」と軽視されがちですが、気管支喘息へ進行する可能性のある疾患です。
 咳が数週間以上続く場合は、早めに医療機関での診察をおすすめします。
気になる咳が続く方は、お気軽にご相談ください。

舌下免疫療法について
スギ花粉症やダニアレルギーの根治的治療として、舌下免疫療法があります。
 この治療では、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を含むエキスを舌の下に投与し、徐々に体内に吸収させることでアレルギー反応を和らげます。
 長期的に継続することで、症状の緩和や持続的な効果が期待できます。
スギ花粉症:シダキュア

  • ダニアレルギー:ミティキュア

舌下免疫療法の利点
従来の注射療法に比べて、通院回数が少なく、痛みもないため負担が軽減されます。
 特に以下のような方におすすめです。

  • 薬を使用しても症状が改善されない方
  • 受験生や学生で花粉症・ダニアレルギーが心配な方
  • 将来的に妊娠を希望し、薬の使用に不安がある方

期待できる効果は以下の通りです。

  • 鼻水・鼻づまり・くしゃみの改善
  • 目のかゆみや涙目の緩和
  • アレルギー薬の減量
  • 生活の質の向上

治療の注意点
毎日服用が必要で、少なくとも2年間、できれば3年以上の継続が望ましい
即効性はなく、全ての患者に効果があるわけではない(約7~8割に効果)
スギ花粉症は6~12月から治療開始(花粉飛散時期は副作用リスク増)

  • ダニアレルギーは時期を問わず開始可能

治療対象者
5歳以上65歳未満で、スギ花粉症またはダニアレルギーと診断された方
用法・用量を守り毎日服用できる方

  • 少なくとも月1回の通院が可能な方

治療が難しい方

  • 5歳未満、65歳以上
  • 妊娠中・授乳中、または近い将来妊娠を希望する方
  • 重症の口腔アレルギー
  • 強い喘息症状がある方
  • 口腔内に傷や炎症がある方
  • ステロイド・抗がん剤・β遮断薬など特定の薬を使用中の方

その他、医師の判断で適応外となる場合があります。

副作用
主な副作用:

  • 頭痛
  • 口内炎や口の腫れ
  • のどのかゆみ
  • 耳のかゆみ

まれに重篤な副作用として、喘息発作、消化器症状、アナフィラキシーが起きることがあります。
 異常が出た場合はすぐに医療機関を受診してください。

治療費
治療開始前

  • アレルギー検査(スギまたはダニ)を行い、診断が必要
  • 保険適応(自己負担3割の場合)で約5,000円

治療開始後

  • シダキュア:約1,300円/月
  • ミティキュア:約1,700円/月
  • 上記に加え診察料・調剤料・アレルギー加算などで月約3,000円(3割負担の場合)
  • お子様は自治体の医療助成が利用可能

治療の手順
1. 問診・検査
診察とアレルギー検査で対象か確認します。
2. 治療説明
治療のスケジュール、服用方法、副作用などを説明し、同意を確認します。
3. 投与開始

  • 初回投与はクリニックで行い、30分間観察
  • 問題がなければ自宅で毎日服用
  • 1週間後に再受診

4. 治療継続(投与1週間後)
体調や投与部位、副作用の有無を確認

  • 問題なければ月1回通院で継続

5. 治療継続(月1回通院)

  • 約2年間継続し、効果が見られればさらに1~2年継続
  • 効果がない場合は治療終了を検討

まとめ
舌下免疫療法は、通院回数が少なく痛みもない根治治療です。
 長期間の継続が必要ですが、症状の緩和や薬の減量、生活の質向上が期待できます。
 咳や鼻水などのアレルギー症状でお悩みの方は、一度医療機関にご相談ください。