誰でも食事をする際、一時的に血糖値が高くなりますが、「インスリン」というホルモンがすい臓から分泌されていくことで、時間の経過とともに正常値に戻ります。ですが、このインスリンの分泌量が少なくなったり、インスリンが分泌されてもうまく働かなくなったりすると、血糖値が高い状態が続いてしまい、これが、糖尿病です。
血糖値が高くても、初期のころはほとんど自覚症状がないため、糖尿病に気づかなかったり、気づいていたとしても、治療をおろそかにしてしまう方も少なくありません。ですが、そのまま放置して糖尿病が進行すると、多くの場合合併症が起こります。
失明に至ることもある糖尿病網膜症、透析治療などが必要になる糖尿病腎症壊疽(えそ)を起こして足や手を切断することもある糖尿病神経障害の「三大合併症」を起こすこともあります。また脳梗塞や心筋梗塞など、命にかかわる病気を引き起こす可能性が高まります。そのため早いうちから、血糖値をコントロールすることが重要です。
糖尿病では大きく分けて1型、2型と2つのタイプがあります。
タイプ別に症状をご説明していきます。
すい臓はインスリンを作り出しますが、2型糖尿病では、量が十分ではない(インスリン分泌不全)か、作られたインスリンが十分に作用されません。(インスリン抵抗性)
2型糖尿病は最も一般的な糖尿病で、大体の方はこのタイプです。
若い人でも発症する場合もありますが、40歳を過ぎてから発症する場合がほとんどです。
糖尿病になる要因はさまざまで、食生活や体質(遺伝)の組み合わせで起こると考えられています。
糖尿病は肥満の方が多いイメージを結びつける方がいらっしゃるかもしれませんが、病気の名前に「糖」という文字が入っているからといって砂糖などの甘いものの取り過ぎといったことだけが原因ではありません。
また、2型糖尿病の治療の基本は適切な食事指導と運動で、これらを続けながら薬による治療を行います。
2型糖尿病の治療薬にはさまざまな種類があり、糖尿病の状態に合わせて使います。
最初は飲み薬から始めることが多いですが、血糖値が下がらないときはGLP-1受容体作動薬という注射が選択肢の1つとなります。また、インスリンの分泌量が十分でないときは、注射でインスリンを補います。
・疲労感
・皮膚が乾燥して痒い
・手足の感覚が低下する。また、チクチク指すような痛みがある
・頻尿
・目がかすむ
・感染症によくかかる
・切り傷やその他の皮膚の傷が治りにくい
・空腹感やのどの渇きがひどくなる
・性機能の問題
・40歳以上の方
・太りすぎの方
・家族に糖尿病の方がいる
・過度な運動不足
1型糖尿病になると、すい臓がインスリンをほとんど、またはまったく作ることが出来ない為、インスリンを注射しなければなりません。
糖尿病の患者さんのうち、1型糖尿病は10人に1人もおらず、
若い方の糖尿病では1型糖尿病が多いですが、年齢に関係なく発症が見られます。
・普段よりのどが渇く
・疲れがひどい
・急激な体重減少
・頻尿
・1型糖尿病にかかりやすい体質を持っている。
・何らかの原因でインスリンを作っているすい臓の一部が破壊される
健康な人は、朝食前の血糖値が一日の中で最も低いとされています。
最後の食事から10時間以上開けて測定するので、前日20時以降のお食事はお辞めください。
食事の時間に関係なく測定した血糖値です。
過去1.2ヶ月の血糖を反映する指標となります。
糖尿病を最も確実に診断できる検査となります。
ですが注意点として、明らかに血糖値が高いことが予測される場合は絶対に行ってはいけないので、空腹時血糖値または随時血糖値を確認いたします。
早朝の空腹時血糖値を測定後、75gのブドウ糖溶液を飲用して頂き、30分後・60分後・90分後・120分後の血糖値を一般的に測定します。
このとき糖尿病の診断には、空腹時血糖値と120分後の血糖値の使用をします。
30分後、60分後、90分後の血糖値は診断には必須ではありませんが、糖尿病予備軍の方を見つける為に役立ちます。
これらの検査において、随時血糖値が200mg/dL以上、空腹時血糖値が126mg/dL以上、75gOGTT 120分値が200mg/dL以上、HbA1c(NGSP)が6.5%以上、のどれかを満たせば「糖尿病型」と診断します。
そして「糖尿病型」の基準の組み合わせで、最終的に糖尿病かどうかの判定を行います。
空腹時血糖値が110mg/dL未満、かつ75gOGTTで120分値が140mg/dLであれば「正常型」と判定できます。
「糖尿病型」でも「正常型」でもない血糖値であった場合は「境界型」と判定されます。
糖尿病の食事療法は、食事制限だけではなく、血糖値を上げない為の食事の調整です。
①自分に見合った食事量に調整
・毎食ご飯をいつもより少なくする。など
②血糖値が高くなる「山」を増やさないための調整
・お菓子は食事に続けて食べる。
・ 低糖質なおやつを食べる。など
③食後の急激な血統上昇を防ぐための調整
・ごはんやパン、麵類のみの食事をやめ、野菜のおかずを加える。など
特に以下の有酸素運動をおすすめいたします。
・早歩き
・水泳
・ラジオ体操
・サイクリング
運動の習慣がない方も、早歩きをしてみてください。
歩くのも辛い方は当院にご相談ください。
薬物療法には、飲み薬と注射薬があり、症状によって使い分けられます。
自分が使っている薬の名前と量をしっかりと覚えましょう。
※飲み薬や注射は、糖尿病を治すものではありません。
同時並行で食事療法と運動療法を続ける必要があります。
当院では一人一人のライフスタイルに合わせて最適な療法を一緒に考えていきます。
メリットデメリットを考慮したうえで、最善の治療を目指します。
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